低カリウム野菜の室内栽培キットとは

低カリウム野菜の室内栽培キットとは

低カリウム野菜の室内栽培キットは、低カリウム野菜を、自宅の室内で自家栽培し、自家消費するための栽培キットです。

低カリウム野菜の室内栽培キットは、1)室内栽培装置アイティプランター、2)低カリウム化栽培苗、3)低カリウム化栽養液、から構成されます。

アイティプランター
アイティプランター
低カリウム化栽培用苗
低カリウム化栽培用苗(写真はイメージです)
低カリウム化養液の素

室内栽培装置アイティプランターは、繰り返し利用できますが、栽培苗と養液は消耗品です。多くの葉もの野菜では、収穫したら苗を入替えます。養液も、植物に吸収されたり蒸発するので、なくなってしまいます。収穫後には、栽培苗と養液がセットで送られてきますので、古い苗を捨てて養液を入替えて栽培を継続します。

低カリウム化には、約10日ほどかかります。さらに栽培を継続して、大きくなってから収穫してもいいですし、大きな葉っぱから順に収穫してもいいです。大きな葉っぱから順に収穫すると、次の大きさの葉っぱが、また、大きくなってきます。このサイクルで、毎日、少しづつ収穫して食べることもできます。

なお、低カリウム化栽培用苗と低カリウム化養液はセットになっています。肥料取締法により、低カリウム化養液だけを販売することはできません。

 

低カリウム野菜の対象者

低カリウム野菜を摂取すべき対象者は、透析患者:30万人、透析未導入患者:300万人、糖尿病患者:糖尿病有病者数は4億1,500万人 成人の11人に1人が糖尿病、慢性腎臓病(CKD):国民の8人に1人が慢性腎臓病、の方々です。中には、糖尿病で、カリウム排出が多すぎる方もいらっしゃいますので、医師に相談の上で、低カリウム野菜を摂取してください。

低カリウム野菜の室内栽培キットのいいところ

既に低カリウムレタスや低カリウムほうれん草が販売されていますが、まだまだ、入手性に問題があり、また、価格も高めに設定されています。野菜の品種も、レタスとほうれん草しかありません。低カリウム野菜を室内栽培すれば、食べたい時に食べたいだけ収穫して、摘みたて新鮮な野菜を食べることができます。苗から育てるので、価格も安めです。また、室内に緑が育つ環境は、人間にとっても気分を落ち着かせるリラックス効果があります。毎日の変化を見るのが楽しみになり、単調な毎日に変化と楽しみを与えてくれます。室内栽培には、いいところがたくさんあります。

カリウム制限食事療法について

糖尿病、高血圧などの原因によって、腎機能障害が進行してきた場合には、蛋白制限、塩分制限、カリウム制限などの食事療法を行うことにより、腎機能障害の進行を抑え、慢性腎臓病の合併症を予防します。カリウムは腎臓が元気なうちはナトリウム排泄を促しますが、腎臓が弱ると血中にたまってしまいます。余分なカリウムは重篤な不整脈の原因となります。特に透析患者の場合、カリウムの排泄ができないので、血中カリウムが高くなると心臓停止の危険があります。カリウムは、様々な食品に含まれているので、知らず知らずの内に、大量摂取してしまう可能性があります。透析患者の場合には、透析すれば、血中カリウムは少なくできますが、腎臓病保存期の方の場合には、薬で排出することになります。

カリウムの多い野菜

食品の中で、カリウムは生野菜や果物に多く含まれています。含まれているカリウム量は、野菜の品種によって異なります。特に、パセリが1,000mg/100gと非常に多くなっています。また、食べる前に水にさらすことでカリウムを減らすことができますが、カリウム以外の栄養素も流れだしてしまいます。湯がくことでもカリウムを減らすことができますが、加熱によって熱に弱いビタミンは壊れてしまいます。生の野菜でなければ摂取できない成分も多いので、低カリウム野菜は重要です。生野菜に多く含まれる繊維質も、便秘予防に効果があります。生野菜は、できるだけ摂取ることが好ましいものです。

食品名 含有量(mg/100g 一単位あたり重量(可食部) 一単位可食部あたりの成分含有量
パセリ 1000mg 15g 50mg
唐辛子(果実) 760mg 1030g27g 205mg
にんにく 530mg 170g64g 339mg
しその葉 500mg 1010g 50mg
ほうれん草(ゆで) 490mg 1210g200g 980mg
バジル 420mg 17g6g 25mg
サニーレタス 410mg 120g 82mg

 

低カリウム化できる野菜

多くの野菜が室内栽培で低カリウム化栽培できます。収量が多いものは、主に葉物野菜になりますが、ハーブ類や実もの野菜も低カリウム化できます。

レタス類

サニーレタス

ロロロッサ
ロロロッサ

フリルのあるロロロッサやロログリーンなどのレタスです。水分が少なめです。低カリウム化栽培では、ロロロッサは赤く色づきます。

コスレタス

ロメインレタス
ロメインレタス

ロメインレタスとも呼ばれ、シーザーサラダによく使われます。

リーフレタス

グリーンジャケット
グリーンジャケット

グリーンウエーブ、グリーンジャケットなどの非結球レタスです。大きく育ちます。

バターレタス

バターレタス
バターレタス

柔らかい葉っぱで甘みがあります。

水菜

水菜
水菜

シャキッとした葉っぱです。

ルッコラ

ルッコラ
ルッコラ

ごまの風味がします。味は、ぴりっと辛めです。

 

バジル

バジル
バジル

イタリアン料理には欠かせないハーブです。意外とカリウムが多いので、低カリウム化栽培しておいてください。

チャービル

チャービル
チャービル

香りを楽しむハーブです。卵料理の付け合せで優雅な気分に浸れます。

クレソン

クレソン
クレソン

よく育ち、栄養豊富です。

パセリ

パセリ
パセリ

パセリは、水分量が少ないのでカリウム濃度は非常に高くなります。低カリウム化栽培しても、半分ほどにしかなりません。しかし、50%OFFにはなります。パセリには、多くの栄養が含まれていますので、少量の付け合せに使うと効果的です。

コリアンダー(パクチ)

コリアンダー
コリアンダー

 

辛子菜

辛子菜
辛子菜

 

チコリー

チコリー
チコリー

 

ステビア
ステビア

砂糖の300倍も甘い葉っぱです。糖分摂取制限の糖尿病患者にも有効な甘味料です。カロリーも控えめです。

 

低カリウム化栽培用苗とは

低カリウム化栽培キットに付属の栽培用苗です。通常栽培された苗ですが、栽培開始時のカリウム濃度が分かっているものです。その後の低カリウム化栽培で、重量を測れば、その時点のカリウム濃度が推定できます。

 

低カリウム化野菜栽培キットは、特許出願中です。

 

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植物の生長について

植物の生長について

ここでは、低カリウム野菜の栽培原理を説明します。低カリウム化栽培を説明する事前準備として、通常の植物の栽培方法と栽培原理を説明いたします。

植物の生長に関係する要因には、様々な要因がありますが、室内栽培に限定すると要因も限定的になるために理解しやすくなります。

植物の生育には、空気、水、栄養素、温度、湿度、光強度、光照射時間、水やり間隔、が影響します。

空気や水は十分にあるものとすると、栄養素、温度、湿度、光照射時間、水やり間隔が重要です。温度、湿度は、エアコンや加湿器、除湿機でコントロールできますが、季節変動を受けやすい要因です。自宅の室内では、夏場と冬場の室温には大きな差があることが普通です。残りの、栄養素、光強度、光照射時間、水やり間隔は、コントロールが可能です。

成長因子のイラスト

植物に必要な栄養素

大量に必要とされる三大栄養素は、窒素、カリウム、リンです。

窒素には、硝酸態窒素(NO3-)と、アンモニア態窒素(NH4+)があります。アンモニア態窒素は、バクテリアに分解されて硝酸態窒素に変換されてから、植物に取り込まれますが、一部は、アンモニア態窒素のままでも取り込まれます。吸収された窒素は、生命の基本物質であるタンパク質に合成され、植物の生命を維持することに使われます。

リンは、ほとんどがH2PO4-イオンで吸収されます。光合成や生命維持にかかせない成分です。リンが不足すると生長は止まってしまいます。

カリウムは、K+イオンで吸収されます。その吸収にはCa2+が欠かせません。カリの働きは、(1)機構の開閉、(2)と光合成との関係、(3)糖の転流、並びに、呼吸との関係、(4)酵素の活性化やタンパク質代謝との関係、(5)水分やpHの調整との関係、(6)有機酸との関係があると言われています。カリウムは、植物体内では、イオンの形で存在するので、その機能は、未だ、十分に明らかになっていないと言われています。

他にも、マグネシウム、カルシウム、イオウが必要です。

また、微量元素として、鉄、銅、シリカ、亜鉛、モリブデン、ほう素などが必要です。銅やシリカ、亜鉛などは、水道水に含まれている量で十分です。

詳しくは、山崎,”養液栽培全編”,博友社,1982.を参照してください。

栽培に必要な温度、湿度

植物にとって、いい季節は春と秋です。日照時間は12時間、気温は20度前後、湿度は60%以上がベストな環境です。ところが、日本には四季があり、気温や湿度は季節ごとに変動します。一般に、植物は過度の乾燥を嫌います。また、高温で乾燥しすぎると、ハダニやアブラムシなどの害虫が発生することがあります。

夏場と冬場に分けて考えましょう。

高温で徒長する品種に注意

夏場、室温が24度を超えると、レタスなどの葉物野菜では、抽苔が起こり、茎が伸びて花が咲くようになります。抽苔を抑制するには、光照射時間を10時間程度に短くすること、抽苔しにくい晩生品種を選ぶこと、になります。一方で、トマトや唐辛子などの実物野菜では、24度以上の高温でよく育つようになります。室内では、夏場にエアコンで室温を下げることが多くなります。エアコンからの冷気は、乾燥しているので、室内の湿度は低下します。湿度が40%RH以下になるようであれば、加湿器などで加湿するのが良いでしょう。

冬場の寒さに弱い品種に注意

冬場では、室温が5度以下にならないことが望ましいです。室内での氷点下の室温は望ましくはありません。葉物類は、15度から20度の室温でよく育ちます。高温を必要とする、バジルやトマト、唐辛子では生育が悪くなります。冬場は、湿度が高くなりますが、暖房が長引くと、乾燥することもあります。湿度が40%RH以下になるようであれば、加湿器などで加湿するのが良いでしょう。

逆に、寒さに強い品種もあります。レタス等の葉物類やほうれん草、白菜などは温度が低いほうが甘みが増しておいしくなります。室内栽培は、高温になりやすい夏場よりも、むしろ冬場の方がよく育ちます。

栽培に必要な光強度と照射時間

植物の生育に必要な光強度は、1500Lux以上、3万Lux以下の範囲になります。光強度が弱すぎると、ヒョロヒョロのもやし状態で徒長していきます。逆に、光強度が強すぎると、強光障害を受けて枯れてしまいます。

発芽して、苗が小さなうちは、光合成能力も低いので、弱い光で育ちますが、大きくなるにつれ、強い光が必要になってきます。

光源からの光強度は、距離の自乗に比例します。植物の草丈が伸びて、光源に近づけば近づくほど、二乗で光強度が高まります。

光強度に関しては、弱光を好む品種でなければ、あまり気にする必要はありません。弱光を好む品種には、チャービルがあります。光が強いと葉っぱに斑点が出て枯れます。

光照射時間に関しては、もっとも問題が少ないのは、春秋の日照時間と同じ12時間照射です。12時間以上照射すると、生長は早まりますが、過度の生長速度による障害が出てきます。葉っぱに茶色いシミのような模様がでてくるチップバーンも、生長が早すぎるために発生する生理障害です。実物野菜では、果実が裂ける原因にもなります。また、12時間以上の照射では、長日周期になり、短日周期植物の花は咲かなくなります。

光照射時間だけでなく、光の点滅周期も生育に関係します。連続で同じ強度の光を照射するよりも、PWM(Plus Width Modulation)で、短期間にONとOFFを繰り返すようなパルス照射の方が、生育が良くなります。また、パルス照射の方が、連続点灯と比較して、省電力であり、光源の発熱も抑えることができ、光源の寿命を延ばすことができます。アイティプランターはPWM制御のLEDを光源として使っているので、生育が良く、省エネで長寿命です。

植物に必要な栄養素

大量に必要とされる三大栄養素は、窒素、カリウム、リンです。

窒素には、硝酸態窒素(NO3-)と、アンモニア態窒素(NH4+)があります。アンモニア態窒素は、バクテリアに分解されて硝酸態窒素に変換されてから、植物に取り込まれますが、一部は、アンモニア態窒素のままでも取り込まれます。吸収された窒素は、生命の基本物質であるタンパク質に合成され、植物の生命を維持することに使われます。

リンは、ほとんどがH2PO4-イオンで吸収されます。光合成や生命維持にかかせない成分です。リンが不足すると生長は止まってしまいます。

カリウムは、K+イオンで吸収されます。その吸収にはCa2+が欠かせません。カリの働きは、(1)機構の開閉、(2)と光合成との関係、(3)糖の転流、並びに、呼吸との関係、(4)酵素の活性化やタンパク質代謝との関係、(5)水分やpHの調整との関係、(6)有機酸との関係があると言われています。カリウムは、植物体内では、イオンの形で存在するので、その機能は、未だ、十分に明らかになっていないと言われています。

他にも、マグネシウム、カルシウム、イオウが必要です。

また、微量元素として、鉄、銅、シリカ、亜鉛、モリブデン、ほう素などが必要です。銅やシリカ、亜鉛などは、水道水に含まれている量で十分です。

詳しくは、山崎,”養液栽培全編”,博友社,1982.を参照してください。

栽培に必要な光強度と照射時間

植物の生育に必要な光強度は、1500Lux以上、3万Lux以下の範囲になります。光強度が弱すぎると、ヒョロヒョロのもやし状態で徒長していきます。逆に、光強度が強すぎると、強光障害を受けて枯れてしまいます。

発芽して、苗が小さなうちは、光合成能力も低いので、弱い光で育ちますが、大きくなるにつれ、強い光が必要になってきます。

光源からの光強度は、距離の自乗に比例します。植物の草丈が伸びて、光源に近づけば近づくほど、二乗で光強度が高まります。

光強度に関しては、弱光を好む品種でなければ、あまり気にする必要はありません。弱光を好む品種には、チャービルがあります。光が強いと葉っぱに斑点が出て枯れます。

光照射時間に関しては、もっとも問題が少ないのは、春秋の日照時間と同じ12時間照射です。12時間以上照射すると、生長は早まりますが、過度の生長速度による障害が出てきます。葉っぱに茶色いシミのような模様がでてくるチップバーンも、生長が早すぎるために発生する生理障害です。実物野菜では、果実が裂ける原因にもなります。また、12時間以上の照射では、長日周期になり、短日周期植物の花は咲かなくなります。

光照射時間だけでなく、光の点滅周期も生育に関係します。連続で同じ強度の光を照射するよりも、PWM(Plus Width Modulation)で、短期間にONとOFFを繰り返すようなパルス照射の方が、生育が良くなります。また、パルス照射の方が、連続点灯と比較して、省電力であり、光源の発熱も抑えることができ、光源の寿命を延ばすことができます。アイティプランターはPWM制御のLEDを光源として使っているので、生育が良く、省エネで長寿命です。

植物の生長過程

先ず初めに、植物の生長過程を見ていきましょう。植物の種を蒔くところから、収穫するまでに、どのように生長していくのでしょうか。一般に、植物の生長は、ゴルペルス曲線やロジスティック曲線で近似できます。横軸を時間、縦軸に植物の重量(新鮮重)を取れば、S字型の曲線になります。播種後の発芽すると、種からは根や子葉がでて、葉が展開して、茎が伸び、本葉が作られていきます。本葉がでるまでは、生長は緩慢で変化が少ない期間になります。本葉ができて展開してくると、生長は加速していきます。大きくなってくると、生長速度は遅くなり、やがては、生長限界に達します。

植物の生長過程を理解していると、生育過程における重量増加を測定することで、その後の生育状況を推定することができるようになります。日々の植物の重量増加を記録して、ロジスティック曲線に近似すれば、この先、どのように生長していくかが分かるようになります。ただし、品種ごとに、生長曲線が異なるので、最終的に、どれくらいまで大きくなる品種なのかは、予め知っておく必要があります。

Scurve

 

低カリウム化栽培の原理

低カリウム化栽培の原理を説明していきましょう。植物の生長にはカリウムは不可欠な栄養素です。そのカリウムを減らす方法とはどのようなものでしょうか。

低カリウム化栽培を説明する前に、硝酸性窒素を低減した野菜の栽培方法を説明しましょう。基本的には、低硝酸性窒素化栽培も、低カリウム化栽培も同じ原理によるものです。

低硝酸性窒素化栽培の原理

硝酸性窒素は、発がん性があるかもしれないと言われ、軽減したほうがよいと言われています。しかし、硝酸性窒素も植物の生長には欠かせない栄養素です。硝酸性窒素がないと、植物は生長することができません。

では、どうやって硝酸性窒素を減らすのでしょうか?

収穫の1週間前に、硝酸性窒素の入っていない栽培養液に変更する。たったこれだけです。植物は、硝酸性窒素が外部から吸収できなくなるので、植物体内にある硝酸性窒素を使って光合成を行うようになります。そして、植物に吸収された硝酸性窒素は、光合成によって、アミノ酸に合成されていきます。

要するに、減らしたい成分を吸収できないようにして、植物体にある成分を薄めたり、他の成分への変換を促進することになります。硝酸性窒素は、外部からの供給を遮断して、光合成を促せば、少なくなっていきます。

低カリウム化栽培の原理

カリウムは、硝酸性窒素とは異なり、光合成でアミノ酸や他の物質に変換されることはありません。カリウムイオンとして、植物体内に残ります。

植物体内のカリウムを減らすということは、カリウムが外部から取り込めないようにして、カリウム濃度を薄めるということです。カリウムの総量は変わりませんが、濃度が薄まるということです。

植物の95%は水分でできていますから、カリウム濃度を薄めるには、大量の水分を取り込むことです。大量の水分を取り込むためには、植物体が大きく育たなければなりません。

では、カリウムが含まれない養液で、植物は生長できるのでしょうか? 外部からのカリウムの供給が途絶えても、植物体内にはカリウムが残っています。植物は、体内にあるカリウムを、必要とする部位に移動することができます。この現象を、転流といいます。転流により、不足したカリウムを補いつつ、光合成を行い、生長を続けることができます。しかし、体内のカリウムも不足してきます。すると、植物は、緊急事態に対応する遺伝子を発現させます。

先ず、養液中に僅かに含まれるカリウムを極限まで吸い上げるようになります。この時に、カリウムとよく似た成分まで吸い上げてしまいます。カリウムと類似した大きさの成分には、ナトリウムやマグネシウムがあります。

ナトリウムの吸収

水道水には、消毒のために次亜塩素酸ナトリウムが入っています。このナトリウムを全て吸い上げようとします。養液中にナトリウムがたくさん入っていた場合には、ナトリウム濃度が高くなりすぎます。植物自体が塩味ぽっくなります。透析患者や高血圧症、糖尿病患者には、ナトリウムは少ないほうがよいので、植物が吸収するナトリウムの量は制限しなければなりません。

ナトリウム

上のグラフは、養液のナトリウム濃度を変えて栽培したものです。マグネシウムが少なく、ナトリウムが多い場合には、植物体内のナトリウムも非常に多くなります。カリウムをなくすだけでも、ナトリウムの量が増えます。これは、水道水のナトリウムを積極的に取り込むからです。養液中にナトリウムがない場合には、生育不良となります。水道水に入っているナトリウムの量だけでは不足するからです。

通常ナトリウム

ナトリウムは、通常の栽培養液には入っていません。通常栽培の玉レタスやグリーンウエーブでは、ナトリウムは殆ど検出されませんが、低カリウム化養液にナトリウムが入っていた場合には、ナトリウムが大量に含まれてしまいます。生育が悪くならず、ナトリウムも増えない程度に、養液にナトリウムを投入しなければなりません。

マグネシウムの吸収

養液中のナトリウムを全て吸い上げた後は、次に、大きさが同じくらいのマグネシウムを吸い上げようとします。マグネシウムは苦土とも呼ばれ、苦味やエグ味の原因ともまります。また、病状によっては、マグネシウムの摂取を制限したほうがいい患者もいます。植物が吸収するマグネシウムの量も制限しなければなりません。

マグネシウム

上の図は、養液中のマグネシウム量を変化させた場合の、植物体中に含まれるマグネシウムの変化です。養液中のマグネシウム量に応じて、植物体中のマグネシウムも変化することが分かります。養液中のマグネシウム量も制限しなければなりません。

リンの吸収

マグネシウムの次は、リンやカルシウムを吸収しようとします。リンも少ないほうが好ましい患者が多いために、植物が吸収するリンの量も制限しなければなりません。しかし、リンは、植物体内では、ナトリウムやマグネシウムのように、急激には増加しない傾向にあります。

リン

養液中のリンの量を変えても、植物体中のリンの量は、あまり、大きくは変化しません。しかし、養液中にリンが多いと、カルシウムの吸収を抑制するために、カルシウム不足になりがちになります。

カルシウムの吸収

カルシウムに関しては、日本人の食生活ではカルシウムが不足しがちと言われています。そのために、野菜からカルシウムを摂取できる方が好ましいでしょう。植物体内のカルシウムは、養液のカルシウム量を増やし、リンを少なくすることで高めることができます。

カルシウム

上の図で、養液中のカルシウム量が多い場合には、植物体中のカルシウムも多くなることが分かります。しかし、リンの量が多い場合には、植物体中のカルシウムは少なくなります。カルシウムは、牛乳並の100mg/100g以上に増やすことができます。

低カリウム化養液

このように、単にカリウムをなくした養液で栽培すればよいというものではなく、カリウムがないために引き起こされる植物の反応に即した成分配合の低カリウム化養液を使わなければなりません。

カリウム

低カリウム化栽培キットの低カリウム化養液は、このように様々な成分の配合比率を変えて栽培して、もっとも生育がよく、また、植物体中のカリウムが低くなる配合に設定してあります。

低カリウム化栽培結果

低カリウム化栽培前後の成分の変化を図で示します。低カリウム化前には、341mg/100gのカリウム濃度が、低カリウム化後は、89mg/100gまで下がっています。73%もカリウムを低下させています。ナトリウムやリンの上昇は抑えられています。カルシウムはまだまだ増やせると思われます。

低カリウム化

但し、カリウム量は、栽培品種や食べる場所によっても変化します。生育中の葉っぱの先端ほど、カリウム濃度は高くなり、茎に近いほどカリウム濃度は低下します。水分を多く含む部分ほど、カリウム濃度は低下します。

部位違い

市販されている低カリウムレタスが、茎の部分が多いのはこのためでしょう。茎の部分には、葉緑素が少ないので、抗酸化物質も少なくなっています。

 

通常栽培レタスの成分比較

食品成分表に、通常栽培レタスの成分が掲載されています。レタスの品種や栽培方法によっても成分量は異なっています。土耕栽培の結球レタスがもっともカリウムが少ないようです。

 

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カリウム濃度の変化

低カリウム化栽培の原理が理解できたところで、次は、どのようにカリウムが減少するのかを説明いたします。

カリウムの増え方

先ず、低カリウム化しない場合、植物体中のカリウムは直線的に増えていきます。そして、生長が止まる頃には、一定値に到達します。

低カリウム化栽培を開始すると、最初は、植物の重量が増える毎に、直線的にカリウム濃度が低下しますが、その後、カリウム濃度が減る速度が低下します。このグラフがなだらでないのは、各測定点で個別の植物個体を測定しているための個体差と考えられます。カリウム濃度の測定は、現在のところ、破壊試験しか方法がありません。非破壊試験で同一個体を連続測定すれば、なだらかなカーブが記録されるはずです。

低カリウム化過程0

低カリウム化過程の定式化

植物を栽培する養液を、カリウムを含むものから、カリウムを含まない低カリウム化養液に変えた場合、植物は、養液中からカリウムを取り込めなくなります。低カリウム化する前の植物全体に含まれるカリウム総量をK_t[mg]、カリウム濃度K_1を[mg/100g]、重量をW_1[g]とします。養液からカリウムを取り込めなくても、光合成ができれば植物体の体積は増えていきます。植物体の95%は水分であり、水分は十分に取り込むことができるので、体積が増えた分、重量も増加します。収穫時の重量をW_2[g]とすると、カリウム総量K_t[mg]は、低カリウム化前と同じなのでカリウム濃度K_2[mg/100g]は、自重が増えるに連れK_1[mg/100g]よりも少なくなります。ゆえに、低カリウム化後のカリウム濃度K_2[mg/100g]は(3)式で表すことができます。
K_t = 100 K_1 W_1 ---(1)
K_2 = K_t / (100 W_2) ---(2)
K_2 = K_q W_q / W_2 ---(3)
栽培開始時と収穫時の重量比W_1/W_2がカリウム濃度減少率となる。これより、低カリウム化前の苗の重量W_1とカリウム濃度K_1が既知であれば、所定の重量W_2になるまで栽培すれば、目的の低カリウム化が達成できます。
しかし、ここでは、カリウム総量が植物全体のカリウム総量のことであり、可食部以外の根部も含まれています。可食部だけのカリウム総量に注目すると、根部からのカリウムの転流が起こるために、低カリウム化の過程で上昇すると考えられます。植物の可食部のカリウム総量をK_tp1[mg]、カリウム濃度をK_p1[mg/100g]、重量をW_p1[g]とします。水分は十分に取り込むことができるので、体積が増えた分、重量も増加するでしょう。不足したカリウムは根部から転流してくると思われます。根部から転流してくるカリウム量をK_r[mg]、収穫時の可食部の重量をW_2p[g]とすると、可食部のカリウム総量K_tp[mg]は根部からの転流量分増加するでしょう。
K_tp=K_1p W_1p / 100---(4)
K_2p= 100 ( K_tp + K_r ) / W_2p ---(5)
K_2p = ( K_tp + K_r ) / W_2p ---(6)
根部からの転流があるので、カリウム濃度減少率は栽培開始時と収穫時の重量比よりも小さくなる。
根部の総カリウム量は可食部の総カリウム量に等しく、根部からの転流は可食部の重量増加に比例すると仮定すると、
K_r = K_tp ( W_2p - W_1p ) / W_2p--(7)
となる。(6)式に(7)式を代入すると(8)式になる。
K_2p = 100 K_tp ( 2-W_1p / W_2p )/W_2p--(8)
これより、低カリウム化前の苗の可食部の重量W_1pとカリウム濃度K_1pと根部からの転流K_rが既知であれば、可食部が所定のW_2重量になるまで栽培すれば、目的の低カリウム化が達成できる。ところが、収穫時の重量をW_2[g]は容易に測定できるが、可食部の重量W_2p[g]は地上部を切断しなければ測定できない。一度、切断したら、さらに生育させることができなくなる。そこで、切断することなくW_2pを推定する。根部の重量W_2rは、根と苗カップとスポンジ培地、及び、スポンジ培地が含む養液で決まる。苗カップとスポンジ培地が含む養液の重量が支配的であるために、低カリウム化栽培前の根部重量とほとんど変わらないのでW_1r = W_2rとすることができます。
W_2 = W_2p + W_2r = W_2p + W_1r --(9)
W_2p = W_2 - W_1r --(10)
(8)式より、収穫時の可食部の重量が推定可能になるでしょう。(8)式に(10)式を代入すると(11)式になります。
K_2p = 100 K_tp ( 2 - W_1p / ( W_2 - W_1r ))/( W_2 - W_1r))--(11)
W_1p,W_1r,K_tpは事前に計測可能であるので既知の値にできる。なお、カリウム濃度や転流量は栽培品種によって異なるので、品種毎の測定が必要になります。

低カリウム化過程

上の図の緑色が、11式を適用した結果です。黄色は、根部からの転流を無視した場合の結果です。根部からのカリウムの転流があることが分かります。

以上で、低カリウム化栽培中の植物の重量から、その時のカリウム濃度が推定できます。収穫して可食部を切り離して、8式で再度、カリウム値を推定すれば、より正確な結果が得られます。

予備検証

低カリウム化後の可食部と根部のカリウム濃度の比較

小さな苗の可食部と根部のカリウム濃度の測定は、複数の個体の平均になるので、正確には測定できないが、可食部と根部のカリウム濃度は、ほぼ同じと考えられる。低カリウム化養液で栽培した後、可食部と根部のカリウム濃度を測定してみた。

可食部カリウム 80mg/100g
根部カリウム 39mg/100g

可食部:根部=2:1

つまり、根部のカリウムの50%の濃度が可食部に移動したと考えられる。

仮定

可食部と根部のカリウム量は同じ。

可食部の重量増加に比例して、根部のカリウムが転流する。

一方、可食部よりも根部の総重量が小さいので、総カリウム量でみると根部の方が少なくなる。

可食部総カリウム 1098mg
根部総カリウム 71mg

15.5 : 1 の割合になる。しかし、根部は培地に入り込んでいるので、完全に取り出すことは難しく、正しい値とはいえない。

 

植物体のカリウム量の変化

植物体が保持するカリウムの総量は、種の時に持っているカリウム量から始まって、外部からのカリウムを吸収してカリウム量が増えていく。

十分なカリウム量に達してから、低カリウム化養液に切り替えると、外部からのカリウム供給が途絶えるので、植物体のカリウム総量は一定値のままになる。

可食部の生長に連れ、不足するカリウムは根部から転流してくるので、可食部のカリウム総量は増加し、根部のカリウム総量は減少していく。

総カリウム

植物体のカリウム濃度の変化

カリウム濃度で見てみると、低カリウム化養液に切り替えた後、植物の生長につれて、カリウム濃度が低下する。しかし、根部からのカリウムの転流がある分だけ、カリウム濃度の低下が少なくなる。

カリウム濃度

透析患者が摂取できるカリウム量

血清カリウム値が、7.5mEq/L以上になると心停止に至ると言われている。血清カリウム値の正常範囲は、3.5mEq/L〜5.5mEq/Lと言われている。正常な範囲にするには、1日のカリウム摂取量を1500mg以下にすべきと言われている。

1日のカリウム摂取量1500mgなら血清カリウム値 5mEq/Lになるすると、カリウムを300mgとるたびに、1mEq/Lの血清カリウム値が上昇するとして、2250mgのカリウムを摂取すると7.5mEq/Lになり、心停止のおそれがある。

カリウム濃度が300mg/100gの生野菜の場合、750gを摂取すると2250mgのカリウムを取ったことになる。生野菜だけで、750gも摂取するのは大変であろう。3食、生野菜を食べたとしても、毎食、250g食べなければならない。通常、そんなに生野菜ばかりを食べないだろう。

しかし、生野菜だけの食事をしている訳ではない。カリウムは生野菜だけでなく、肉や魚にも含まれている。やはり、生野菜に含まれるカリウムは少ないほうがよさそうである。

 

成分比較

低カリウム化した場合の成分を比較してみました。低カリウム化前後と低カリウムレタス販売を行っている会社の商品との比較です。F社の低カリウムレタスには、ナトリウムが高くなっています。低カリウム化すると、ナトリウムをカリウムの代用として吸収するために、高い値になってしまうのです。当社の低カリウム化養液は、ナトリウム量を最小限になるように配合しているために、野菜中のナトリウムの増加が抑えられています。

 

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栽培キットの入手方法

低カリウム野菜栽培キットは2種類あります。

苗から育てる苗セット

低カリウム化前の苗から育てる栽培キットです。低カリウム化養液で栽培すれば、低カリウム野菜になります。

苗セット
低カリウム化養液の素

栽培セットには、低カリウム化養液の素が入っています。養液を入れ間違えることがありません。

 

種から育てる種セット

種を撒いて苗を作って、低カリウム化栽培をします。苗から栽培するよりも倍の時間がかかりますが、非常に低コストで低カリウム化野菜が栽培できます。

1箱に、4セット入っています。1セットが1回の栽培分です。最大、16株の苗が作れます。

それぞれのセット箱には、スポンジ培地と種と通常栽培養液の素と低カリウム化養液の素が入っています。播種して発芽してから2週間は通常栽培養液で栽培して苗を大きくします。その後、低カリウム化養液に入れ替えて、低カリウム化栽培を行い、10日から2週間目に収穫できます。

通常栽培養液の素
低カリウム化養液の素
スポンジ培地

 

低カリウム野菜栽培キットは、こちらで販売しています。

販売サイト  http://itplants.theshop.jp

こちらからも、お問合せください。

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    メッセージ本文

    送信前に、チェックボックスをチェックしてください。

    臨床実験

    背景

    近年、カリウム濃度を調整した生野菜や果物が流通し、カリウム制限っが必要な透析(腎不全)患者の食事療法において大きな福音となっています。家庭用水耕栽培装置を使用すれば、自宅で手軽に新鮮で安全な生野菜を収穫することができる。

    目的

    家庭用水耕栽培装置で栽培した通常カリウムレタスと低カリウム化レタスを透析患者に食してもらい、血清カリウム値への影響を確認し、臨床効果の有用性を検討する。

    対象と実験方法

    対象

    順天堂大学医学部附属練馬病院人工腎臓センターに通院する維持透析患者6名。

    実験方法

    株式会社アイティプランツ社のアイティプランターにて、水耕栽培された通常カリウムレタスを3週間、その後、低カリウム化レタスを3週間、通常の食事に加えて摂取し、透析前血清カリウム値の推移を観察した。
    低カリウム化レタス 通常カリウムレタス
    カリウム濃度 65mg/100g 248mg/100g
    摂取量 1食30g×4食分 78mg 1食30g×4食分 297mg

    結果

    臨床実験結果

    通常カリウムレタス摂取時には、5.91mEq/lであった血中カリウム値が、低カリウム化レタス摂取時には、5.28mEq/lにまで低下した。

    結論

    カリウム濃度を抑えた新鮮野菜は、カリウム制限のある透析(腎不全)患者にとって有用な食材である。

    家庭用水耕栽培装置で手軽に栽培できる低カリウム化野菜は、今後、広く臨床応用が可能であると考える。

    本研究は、2016年6月12日に、第61回日本透析学会学術集会にてデジタルポスターで発表が行われた。

     

    屋外用低カリウム野菜栽培キット

    低カリウム野菜を栽培できる、ポタレス栽培キットは、含有カリウム量が少ない野菜を自家栽培するキットです。室内栽培用と屋外栽培用があります。気候がよい季節では、屋外やベランダで栽培できます。ここでは、屋外栽培用の紹介を致します。

    用意するもの
    1. 屋外用低カリウム野菜栽培キット ポタレス−2
    2. プランター 2個
    3. 培養土 バーミキュライト18L、パーライト18L
    4. トレイ、またはビニールシート

    バーミキュライトやパーライト、プランターはホームセンターで購入できます。バーミキュライトとパーライトは、各600円程、プランターは200円ほどです。

    トレイかビニールシートの上で、バーミキュライトとパーライトを5:5から6:4の割合で混ぜ合わせます。

    手で数回、かき混ぜればいいでしょう。

    プランターに入れます。

    同じものを2つ作ります。1つは、苗を栽培するための通常栽培用です。もう1つは、低カリウム化野菜栽培用です。間違えないように印をつけてください。

    たっぷりの水道水をシャワー状にしてかけて、培養土に水を染み込ませます。

    低カリウム化栽培用の苗を植えます。苗の根っこは、水道水でよく洗い、肥料成分を洗い流してください。植えた後に、水道水で水を与えます。直射日光があたらない場所に置きます。萎れてきても、2、3日で元気になってきます。4日目頃から、低カリウム化養液を与えます。早めに与えても構いません。低カリウム化養液がなくなったら、水道水を与えてください。肥料成分は、培養土の中に残っています。

    苗栽培用の方は、指で二筋の溝を作って種をまきます。低カリウム化栽培に適している品種は、生育が早い葉物野菜です。

    パラパラと種を蒔いて、上から培養土で覆います。

    直射日光に当たらない場所に置いておきます。2、3日で発芽してきます。1週間後から、通常栽培養液を与えます。通常栽培養液がなくなったら、水道水を与えてください。肥料成分は、培養土の中に残っています。

     

    屋外用低カリウム野菜栽培キット ポタレス−2

    使用方法
    1.通常栽培プランターに無肥料培養土(バーミキュライトとパーライト混合)を入れ、水道水で湿らせます。
    2.培養土に、野菜の種を蒔き、通常最培養液を与えます。
    3.発芽して2週間ほどは、通常栽培養液で栽培します。
    4.別のプランターに無肥料培養土(バーミキュライトとパーライト混合)を入れ、水道水で湿らせます。こちらは、低カリウム化栽培用のプランターになります。
    5.通常栽培プランターから、苗を取り出し、水道水で根っこをよく洗います。
    6.苗を低カリウム化栽培用のプランターに移植します。
    7.低カリウム化養液を与えます。野菜が育ってくれば、10日から2週間ほどで、収穫できます。
    8.収穫は、大きくなった葉っぱから順次、収穫していきます。根本から切らなければ、また葉っぱが生えてきます。

    注意
    1.通常栽培プランターの培養土は再利用できますが、低カリウム化栽培用の培養土は、カリウムが含まれる根っこが混ざっているために、再利用できません。再利用した場合には、カリウム含有量が増えます。低カリウム化培養土は、新しいものと交換して利用してください。なお、一度使った低カリウム化培養土は、通常栽培用の培養土として再利用できます。
    2. 栽培キットに含まれている養液以外は与えないでください。低カリウム化できなくなる場合があります。
    3.  培養土は乾きやすいので、朝夕の水やりをしてください。

     

    商品バリエーション

    基本キット ポタレス-2-1
    内容物
    1.通常栽培養液の素
    2.低カリウム化養液の素
    3.野菜の種(レタスなど)
    4.取扱説明書
    4回分が1セットになります。1つのプランターで、レタスならば6株栽培できます。4回分なので24株の栽培ができます。1株で約200g程、収穫できるので、合計4800gの低カリウムレタスが収穫できます。100g300円の低カリウムレタスを購入した場合には、14,440円分に相当します。基本キット ポタレス-2-1の価格は、1,980円(税別、送料別)です。低カリウムレタスの1/7のコストになります。
    基本キット ポタレス-2-1 価格 1,980円(税別、送料別)

    基本キット ポタレス-2-1を4セット一括購入で、30%OFFになります。まとめ買いがお得です。

    ポタレス-2-1  1セット

    4回栽培できます

    低カリウム化野菜の栽培には、栽培用プランター2個、バーミキュライト、パーライト各18Lが必要になります。栽培用プランターやバーミキュライト、パーライトはホームセンターや通販で購入できます。

    フルキット ポタレス-2-2
    基本キットの他に、プランター2個、栽培用培養土32Lが付いていて、すぐに栽培が始められるキットです。最初に始める時にフルセットを購入すれば、ホームセンターや通販で購入する手間が省けます。プランター2個、栽培用培養土32Lの分だけコストがかかります。
    フルキット ポタレス-2-2 価格 3,900円(税滅、送料別)

    交換用培養土付き基本キット ポタレス-2-3
    基本キットに、交換が必要な栽培用培養土16Lが付きます。2回目以降にご購入ください。
    交換用培養土付き基本キット ポタレス-2-3 価格 2,200円(税滅、送料別)

    低カリウム化の原理は、室内栽培の場合と同じです。養分が含まれない培養土に、低カリウム化養液を入れて栽培します。なお、真夏や真冬は、屋外栽培には不向きな季節になります。室内栽培をしてください。

    より詳しくは、お問い合わせください。

    低カリウム野菜の屋外栽培 その2

    2017年6月26日(月)

    低カリウム化栽培も、そろそろ栽培も終盤にさしかかってきました。種を蒔いておいた方は、大きくなってきました。こちらの苗も、そろそろ低カリウム化栽培に移行してみましょう。

    先ず、カリウムがたっぷり入った通常栽培培地から、カリウムが含まれない低カリウム化培地へ移植します。柔らかい培養土なので、手で簡単に掻き出せます。根を傷めないように、注意して、根っこごと掻き出してください。

    根っこに付いた培養土を洗い流します。根を傷めないように、優しく水洗いしてください。先ずは、大まかに培養土を洗い流しましょう。

    この時、育ちが悪い苗や、根や葉が傷んだ苗は捨ててしまいましょう。根が長く、葉っぱが大きい苗だけ選び出します。

    選んだ苗の根っこを、さらに綺麗に水洗いします。

    バーミキュライトとパーライトを入れて、水をよく含ませた培地が入ったプランターです。必ず、新しいバーミキュライトとパーライトを使ってください。使い古しの培地には、カリウムが含まれているので、低カリウム化しなくなりますので、ご注意ください。

    培地に苗を植えていきます。1株が、結構、大きくなるので、隙間をあけて植えましょう。

    この培地には、養分が含まれていないので、低カリウム化養液の素を水に溶かして、培地に与えます。

    養液の素の袋の中に、養液成分が残らないように、全部、使ってください。少量の水を養液の素の袋に入れて、溶かしてかき出してください。

    低カリウム化養液を培養土に振りかけて完成です。夏場は、直射を避けて、明るい日陰に置いておきましょう。2週間ほどで、収穫できます。

    注意

    低カリウム化栽培中に、根っこがプランターの底から伸びだして、地面に到達して地中のカリウムを吸収する場合があります。プランターを地面の上に置く場合には、根っこが地面に入り込まないように、プランターの下にビニールシートを敷いて下さい。